麻薬的にヤバいキャンペーン企画

私が考案した企画で、とある業界において中小企業中心に約300社に実施いただき、合計300億円以上の売上げに貢献したネットを活用したヤバいキャンペーン企画があります。

3C分析なども一切行う必要がなく、どんな企業でも簡単に効果がでることもあり、一時期、社内やクライアントの考える力が著しく低下したこともありました。

そんなこともありキャンペーンの重要性を考え、前職のチーム内で様々なキャンペーン企画のアイデアを募る会議を行っていたことがありましたが、なかなか良いアイデアを出せる人がいませんでした。

彼らと同様、基本的なキャンペーンを考える流れを知らない人が多いのではないかと思い記事にまとめることにしました。

ヤバいキャンペーンの実施結果

最初にこのヤバいキャンペーンの実施結果について簡単に紹介します。「ヤバいキャンペーン企画」と「通常の集客」で比較をすると

・単価300万円の商品のROAS:4.9倍
・年間10万円の商品のROAS:1.7倍
・1回5万円の商品のROAS:3.0倍

※ROAS:ROASとは、「Return on Advertising Spend」の略で、広告費に対する売上の割合を示す指標です。簡単に言うと、「広告に投資した金額に対して、どれだけの売上を得られたか」を表すものです。マーケティングや広告活動の費用対効果を評価する際に非常に重要な指標として使われます。

と非常にインパクトのある結果を出すことができました。
こちらは実際に他社にもパクられてしまい、お客様にも迷惑をかけてしまったので詳細にお伝えすることはできませんが、パクられるくらいいいものができたという自負があります。

1.ターゲットの考え方

まずターゲットの考え方ですが、今までリーチできていない人がどんな人なのかを考える必要があります。

よくありがちなのが、既にリーチできている人への値引きキャンペーンなどですが、これは正直おすすめできません
理由は多くの競合もやっていることですし、単純に値引き勝負みたいになり、誰が見てもお得な金額まで下げることは現実的に難しく、多くの企業では大した成果を上げることはできません

そこで考えるべきは顕在層ではなく、潜在層です。
単純な潜在層というより、「興味がないわけではないけど今じゃなくてもいいかな」と思っている人のことです。

自動車でいえば、「今の車、けっこう走ったけど、まだ乗れるしな」と思っている人とか、「時計のメンテナンス時期は過ぎてるけど、普通に動いているしな」みたいな人をターゲットにするべきです。

この層は今欲しいという顕在層に比べボリュームも多い
傾向にあります。世の中のほとんどの商品・サービスは不要不急なものです。一度どんな人がいるのか考えてみてください。

2.オファーの考え方

ターゲットが決まったら、その人がどんな”きっかけ”があれば動いてくれるかを考えます。

おすすめは「抽選形式×超お得(っぽい)オファー」です。

なぜ抽選形式がいいかというと、”きっかけ”として最適だからです。
抽選というのは皆さんたぶん当たらないだろうと思って応募しています。
でも応募している以上、興味はある人です。
その応募している人は、興味はあるけどまだ競合との比較検討をしていない激アツの顧客リストと化します。

この比較検討をしていないというのが大事なポイントです。比較検討していないため一般的に競合がどんなお得な特典を用意しているか知らないため抽選形式というのもあいまって、そんなにお得な特典でなくても、思った以上にお得に感じてもらうことができます。

また、抽選に漏れた人に対して直接営業をかけることで想像以上に購入に結びつきます
人は”きっかけ”があれば購入する商品・サービスがいっぱいあるけど、”きっかけ”がないばかりに購入しない商品・サービスもいっぱいあるということです。

※注意※ 抽選で特典をつける場合に、景品表示法には気をつけてください。

景品表示法 | 消費者庁www.caa.go.jp

3.キャンペーン名の考え方

1.2が決まれば自ずとキャンペーン名も出来上がると思いますが、注意点としてはできるだけ特典内容が分かりやすく、既視感のないキャンペーン名にする必要があります。
なぜなら、今の世の中情報が溢れ、ありきたりなキャンペーン名だと本当に無視されます。

そんなこといわれても思いつかないという人は、今流行のキャンペーン名に便乗するのもいいかもしれません。
例えば「Go To 〇〇」「〇〇ジャンボ」など、Googleトレンドでキャンペーンと検索して関連ワードの注目、人気に表示されるものも参考になると思います。

前述のオファーをどうするかという部分でも参考にできますね。

4.キャンペーンページ(LP)の考え方

Webキャンペーンなので当然のようにLPが必要になります。
気を付ける点は「ファーストビュー」と「応募フォーム」だけです。そこに全力を注ぎ、その他は正直適当でも大丈夫です。

理由はユーザーはその部分以外はほぼ見ないです。極端にファーストビュー以下のコンテンツを削ってABテストしても効果は変わりませんでした。

あと、応募フォームに遷移させるボタンは目立たせてください

応募フォームに関しては、通常のフォームでもいいんですが、BtoCの場合であれば後追いの連絡が電話やメールだとなかなか連絡が取りづらいこともあるためLINEを使うのも一つの手ではあります。

5.媒体選定の考え方

最後にどの媒体で広告を配信するかです。
媒体選定次第で得れる応募数に雲泥の差が出ますので非常に重要です。

基本的にはGoogle、Yahoo!の検索広告を避けてください。そもそもターゲットの考え方で「潜在層を狙っていきましょう」という話をしているので当然ではありますが、仮に顕在層向けにキャンペーンを実施する場合でも抽選系のオファーの場合は効果でません
考えれば分かることではありますが、検索する層は今、商品・サービスを求めているため抽選結果など待ちたくない人がほとんどです。

また、Google、Yahoo!のディスプレイ広告はどうかというと、検索よりはいいんですがあまり効果が出ないケースが多いです。おそらく配信面の問題だとは思いますがおすすめできません。(DSPは論外です

一番に考えるべきはSNS広告です。Facebook、Instagram、Twitter、LINEの中からターゲットとなる人が一番多いのはどの媒体かを考えてください。
次にどんなターゲティングができるかも各媒体違いますのでそれも考えてください。

どのSNSもあまり変わらないのであればInstagramを選ぶことをお勧めします。理由はクリックの質が非常に高いです。理由はバナーのクリックだけではLPに遷移できず、「詳しくはこちら」のボタンを押さないといけないためです。
キャンペーンの内容にもよりますが、CVR10%以上とかも平気ででます。ターゲットが広い商品・サービスであればCPA200円前後。かなり狭い場合はCPA5,000円前後のイメージです。

最後に

キャンペーンの本質は”購入してもらうため”のものではなく”購入のきっかけづくり”です。

購入の可能性があるが、まだ比較検討していない熱い見込み顧客リストを大量に集め、コミュニケーション(可能であれば人が)で購入に促す。そうすることで競合ひしめくレッドオーシャンな市場であっても他社より有利に商談を進めることができるようになります。

次回のキャンペーン企画どうしようと思っている方や、新しい切り口の販売方法を探されている方の参考になれば幸いです。